フェディリティ退職・投資教育研究所の2014年の調査レポートをご紹介します。
テーマは『勤労者 3 万人の退職準備 ―雇用形態と DC 加入の退職準備への影響』
https://www.fidelity.co.jp/static/invest_navi/survey-report/20140724.pdf
以下、このレポートをまとめられている野尻哲史さん(フェディリティ退職・投資
教育研究所所長)のコメントをご著書『日本人の4割が老後準備資金0円(講談社)』
からの抜粋です。
以下抜粋
結論から言えば、DC加入者(企業型)の退職後の生活準備への取り組みはかなり前向き
であるといえます。これは、DC制度導入に伴う投資教育によるところが大きいのではないか
と思います。DCの投資教育は不十分だと多くの方が指摘されているのですが、けっして
そうではないと思います。それぞれ簡単にポイントを紹介しましょう。
第1は、企業型DCに加入している人の方が退職後の生活に明るいイメージをもって
いることです。~中略~
第2は、退職に向けた資金準備額が6割程度多いという事実です。~中略~
第3は、所得の低いほどDC加入の効果が大きいということです。~中略~
すなわち退職後の生活準備額という点では、低所得層ほどDC加入に伴う投資教育の効果が
大きいといえるわけです。20代、30代にとっては、今からDCに加入する意味があります。
第4は、DC加入者には投資をする人も多いことです。
以上抜粋
私もDCの投資教育を講師としてお手伝いをしていますが、DCをキッカケに自分の人生
とお金について、真剣に考え始める方を多くみていますので、フェディリティ退職・投資教育
研究所のレポートと野尻さんの分析は、まさにその通りと実感しています。
また日本における投資教育の必要性を国も強く感じて、確定拠出年金における企業の継続投資
教育は『配慮義務』とされていましたが、この5月1日の法改正により導入時教育と同じ『努力義務』に格上げしました。これにより企業型確定拠出年金の導入時教育と継続教育の実施義務の
差はなくなりますので、DC制度創設以来、継続投資教育が未実施、もしくは定期的には実施
されていない企業さんは早急に対応が必要になってきます。
大切なのは法律で義務となったから、対応するという受け身の姿勢ではなく、『従業員の将来の財産形成支援』という福利厚生の視点をもち、前向きに対応することではないでしょうか。
一般社団確定拠出年金教育支援協会 代表理事 至田勝紀