栃木県宇都宮市のDCコンサルタント藍原 菜穂実さんの事例です

企業型DCのある企業にお勤め。DC教育協会主催のセミナーに参加されたSさんは
今後の毎月の積立の運用先と今までの拠出により積み上げた資産の運用先も
今のままで良いのか不安を抱えられていました。

まずは運営管理機関のマイページサイトにログイン頂き、
一緒に資産状況と運用状況を確認。
ほとんどが元本確保型のものと残りは債券中心で運用されていました。

「怖くて手がだせなかった。」とSさん。

当時は銀行の定期預金や債券中心で運用するのが一般的だったので、
DCの運用商品選択も同様な加入者は多いことをお伝えしました。

ただ今は低金利のうえ、人生は100年時代。

まだまだ運用できる時間があるのでSさんの家庭全体の金融資産を勘案して、
株式の割合を高めることをアドバイス差し上げました。

家庭全体の話をしたところ、「年金っていくらもらえるの?」とご質問。
「ねんきん定期便」を探してもらい、見込額が載っているところを一緒に確認しました。
将来の年金受取額にも不安を感じられていたということで、「少し将来が見えてきた」とSさん。

お話をすすめていくと
「今の確定拠出年金の元本確保型と債券の部分をいじった方が良いのかな」とSさん。
投資信託のベンチマークである「MSCIコクサイ」の仕組みやファンドの特徴などを
説明しながら一緒にログイン画面で配分変更のやり方をご説明した。

だんだん理解してきたSさん、
「今まで貯めてきたものはどうしたら良いでしょう?」
一緒に資産状況を確認しながら、まずは大部分を占めている元本確保型の部分を一気に移さずに、
時間を分けて少しづつスイッチングする「分割投資」の考え方をお伝えしました。
何度もやる事によってコツも掴めて、リスクを減らすこともできるし、
将来大きなお金を手にしたときにこの知識はSさんにとって必ず役に立つことをあわせてご説明しました。

元本確保型や債券は受け取るときには良いが、
積立して大きなお金を作ることは不得意なんですよと説明すると
「他で運用したものを集めて最後に受け取る部分だったのですね!」
とご理解できたSさんご夫婦は笑っていらっしゃいました。

個別相談終了後にアンケートにお答え頂きましたがご満足のいく個別相談のようでした。

確定拠出年金はとても素晴らしい制度ですが、運用方法に理解されている方は
少ないのが現状です。

Sさんの会社のように企業が従業員の事を想い、この制度を導入されていても、
従業員の多くの方は理解が出来ていない為、せっかくの企業の想いが伝わらずもったいない!
最終的には加入者自身が受け取るものなので、まずは興味を持つことから始めて欲しいです。

そのためには私たちDCコンサルタントが一人でも多くの方に興味をもって頂けるように
投資教育を通じて伝えていかなければならないと感じました。