米国で“401k”が支持された理由
日本の確定拠出年金制度は2001年に法制化されましたが、そのお手本となった米国の
401kプランは20年早い1981年にスタートしています。
米国において、「401kプラン」が従業員サイドから多くの支持を得ているのは、税制上の優遇の他に、いくつかの利点あるからだと言われています。
- 各個人別に「従業員勘定」があり、給与天引きで自動的に積み立てされるので、各自の残高や資産配分等が把握しやすく、確定給付型年金(DB)と比べ透明性が高かったため。
- 転職先への資産移管が可能であり、転職先に「401kプラン」が無い場合には「IRA(個人退職用積立勘定)」に非課税で移管でき、持ち運び(ポータビリティ)が容易で転職の妨げにならないため。
- 制度への参加は任意であり、規定の範囲内で拠出額や運用先を指定、変更することができたため。
日本の「確定拠出年金」とアメリカの「401kプラン」の大きな違いはここにあります。
日本の確定拠出年金は企業が拠出する掛金で運営されますが、アメリカの401kプランは従業員(個人)が企業が提供した利益の一部を401kプランの掛金として拠出するか、それとも給与として受け取るかを選択し、掛金として拠出する場合には企業には法人税が課税されず、従業員(個人)には所得税が課税されない、という仕組みで運営されています。
つまり日本の「確定拠出年金」は退職金制度なので企業が掛金を出す、アメリカの「401kプラン」は従業員(個人)がお金を出すということなので、全く正反対のしくみなのです。
「“選択制”確定拠出年金(DC)」とは、「現在の給与の一部を、今までどおり給与として受け取るか?それとも確定拠出年金の掛金として拠出するか?を選択できる」制度で、実はアメリカの「401kプラン」にそっくりな制度なのです。
一般的DCと“選択制”DC
*(1)主に多くの大企業で導入されている加入形態
退職金制度なので、全員の掛金を企業が負担し拠出します。
ただ掛金の原資を新たに捻出するのが現状難しい、けれど従業員のために企業年金制度をスタートさせたい、というニーズに応えるのが次の方法です。
(2)主に多くの中小企業で導入されている加入形態
現在の給与を減額し、減額した分を『確定拠出年金選択枠』として設けます。
従業員はその枠の中で、
- 確定拠出年金(DC)の掛金として拠出し、将来の年金不安を解消するか
- 今までどおり給与として受け取るか
を自身のライフプランに応じて自由に選択することができます。
確定拠出年金(DC)の掛金として拠出した分は、非課税、社会保険料標準報酬算定対象外となります。
【完全選択制】
(3)最近増えつつある加入形態
先程の(2)完全選択制だと、加入しないで全額今までどおり給与で受け取ってしまい、将来の
老後準備が結果的にほとんどできない方が増えてしまいます。そこで会社で最低限(例えば3000円程度)原資を準備し、全員が拠出できるようにし、残りの枠を社員が自身のライフプランに応じて選択できるの形態が一部選択制です。3000円の給与アップより実質社員の方の最終手取りが増える可能性が高いという理由あり、最近この形態が増えつつあります。
【一部選択制】
この制度は従来の給与原資を社員がそのまま給与で受け取るか、将来のためにDC掛金として
積立(拠出)していくか選択できる制度です。そのためDC掛金として選択した分、従来の
給与を減額することになります。その結果、所得税・住民税が軽減されます。また社会保険料の標準報酬月額の等級が下がると社会保険料の負担も軽減されます。
一方で社会保険料の負担が軽減された場合、それに応じて将来の厚生年金への支給額や、
健康保険の傷病手当、労災の労災給付、雇用保険の失業給付に影響が出ます。
このことは選択制確定拠出年金の説明会等で必ず社員の方にお伝えしなければなりません。
総合型確定拠出年金サービス「Forche」
一般社団法人確定拠出年金教育支援協会は、
という目的で設立いたしました。
当協会では、確定拠出年金(DC)のご案内がなかなか届きにくい多くの中小企業様、そしてそこに働く多くの従業員様にも確定拠出年金(DC)のメリットをお届けできるよう、クロス・ヘッド株式会社を代表事業主とする総合型確定拠出年金サービス「Forche」の導入をご提案させていただいております。
クロス・ヘッド総合型確定拠出年金「Forche」のご案内はこちら
制度運営の概略図
従業員が選択した掛金を、事業主が代表してクロス・ヘッド(代表事業主)へ送金します。