保険営業だけでは、これからじり貧ですか?

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保険営業だけでは、これからじり貧ですか?

少し刺激の強い問いかもしれません。

もちろん、保険そのものが不要になるわけではありません。死亡保障、医療保障、介護保障、就業不能への備えなど、保険が果たす役割はこれからもあります。

ただし、「保険商品だけを説明できる人」が、これまでと同じように選ばれ続けるかというと、そこには注意が必要です。

お客様の相談は、既に保険だけでは完結しなくなっています。

保障を考えるときには、家計、資産運用、NISA、iDeCo、企業型DC、税制、相続、退職金、公的年金まで関係します。法人のお客様であれば、福利厚生、退職金制度、人的資本経営、従業員の金融教育まで話が広がることもあります。

さらに、物価上昇が続く中では、「万一に備える」だけでなく、「将来のお金の価値をどう守るか」という視点も欠かせません。

これからの保険募集人に求められるのは、保険を売る力だけではありません。

お客様の人生全体、会社全体、従業員の将来まで見ながら、必要な情報を整理できる力です。

その一つの選択肢として、DCコンサルタントとしての学び、経験は、保険募集人の仕事の幅を広げるものになるのではないでしょうか。


保険市場は「なくなる」のではなく「変化している」

まず、保険市場は単純に消えていくわけではありません。

生命保険協会の2025年版「生命保険の動向」によると、2024年度末の個人保険の保有契約件数は1億9,530万件、前年度比100.2%となり、17年連続で増加しています。

つまり、保険そのものへのニーズがなくなっているわけではありません。

一方で、死亡保障などの主要保障金額である個人保険の保有契約高は、778兆9,902億円、前年度比98.5%と減少しています。また、転換後契約を含まない個人保険の新契約件数も1,243万件、前年度比98.7%となっています。

ここから見えてくるのは、「保険市場がなくなる」という単純な話ではありません。

契約件数は増えている。

しかし、大きな死亡保障を中心とした保険のボリュームは縮小している。

つまり、保険の中身や、お客様が求める相談の質が少しずつ変化してきているということです。

かつてのように、大きな死亡保障を中心に提案していればよかった時代から、医療保障、介護、就業不能、老後資金、資産形成、NISA、iDeCo、企業型DCまで含めて考える時代に変わりつつあります。

保険募集の現場でも、変化は起きています。

登録営業職員数は直近で微増している一方、法人代理店数、個人代理店数、代理店使用人数は継続的に減少しています。保険募集の担い手やチャネルの再編が進んでいると見ることができます。

お客様が情報を得る手段も増えました。インターネットで保険料を比較できる。NISAやiDeCoについても、自分で調べられる。相談先も、保険ショップ、銀行、証券会社、IFA、FP、税理士、社労士など多様化しています。

つまり、保険のニーズがなくなったのではありません。

保険だけでは、お客様の不安を受け止めきれなくなってきているのです。


物価上昇の時代には、保障だけでは対応できない

これまで保険募集人は、主に「万一に備える」ことを伝えてきました。

死亡、病気、けが、就業不能、介護。

こうしたリスクに備える上で、保険は今も大切な役割を持っています。

しかし、今のお客様の不安は、それだけではありません。

物価が上がる中で、将来のお金の価値をどう守るのか。

預金だけで老後資金は足りるのか。

NISAやiDeCoをどう使えばよいのか。

保険料を払いながら、資産形成も続けられるのか。

企業型DCがある場合、それをどう活用すればよいのか。

こうした相談が、以前よりも現実味を帯びています。

保障は、万一のリスクに備えるものです。

一方で、資産形成は、将来のお金の購買力を守り、育てるためのものです。

物価が上昇する時代には、この両方を考える必要があります。

「何かあったときに困らないようにする」だけではなく、「何もなかったとしても、将来のお金が目減りしないようにどう準備するか」という視点が求められるのです。

そう考えると、これからの保険募集人に必要なのは、保障の知識だけではありません。

資産運用の基本、長期・分散・積立の考え方、NISAやiDeCoの制度理解、企業型DCとの違い、税制の知識、家計全体を見ながら無理のない資産形成を整理する力。

こうした幅広い知識が必要になります。

もちろん、個別の有価証券や投資商品の助言には、法令や登録、資格の範囲があります。何でも自分で答えるのではなく、必要に応じて専門家と連携する姿勢も大切です。

それでも、お客様から最初に相談される人が、保障だけでなく資産形成の論点も整理できるかどうか。

ここが、これから選ばれる保険募集人と、そうでない保険募集人の差になっていくのではないでしょうか。


資格や肩書きは専門性を伝える入口になる

もう一つ、現場で意識しておきたいことがあります。

資格や肩書きは、お客様にとって専門性を判断する一つの目印になるということです。

日本では、資格や肩書きを見て、「この人は何の専門家なのか」を判断する場面が少なくありません。

もちろん、資格があるから必ず実務力があるとは限りません。反対に、資格がなくても深い知識や豊富な経験を持っている人もいます。

しかし、お客様から見たときには、「この人は保険の人なのか」「資産運用や企業年金のことまで相談してよい人なのか」という線引きが生まれやすいのも事実です。

たとえ本人に投資の知識や経験があったとしても、それがお客様に伝わっていなければ、相談の入口に立てないことがあります。

ここで、DCコンサルタントとしての学びや資格が活きてきます。

企業型DC、iDeCo、NISA、資産形成、導入投資教育、継続投資教育。こうした領域について学んでいることが伝われば、お客様や企業の担当者から見た印象は変わります。

「この人は保険だけでなく、従業員の資産形成や企業型DCのことも相談できる人なんだ」

そう認識してもらいやすくなるのです。

DCコンサルタントの資格は、単なる肩書きではありません。

保険の専門性を、資産形成や企業の金融教育へ広げるための看板にもなります。

お客様に自分の専門領域を正しく伝えるための、信頼の入口になるのです。


保険の相談はきっかけに過ぎない

保険募集の現場では、最初の相談が保険であっても、話が別の分野へ広がることがよくあります。というか、私の場合は100%そうです。

子どもが生まれたので保険を見直したい。そこには教育費、住宅ローン、貯蓄、NISA、家計管理が関係します。

老後が不安なので何か備えたい。そこには公的年金、退職金、iDeCo、企業型DC、NISA、医療費、介護費が関係します。

法人で福利厚生を整えたい。そこには退職金制度、企業型DC、従業員の定着、採用、人的資本経営、金融教育が関係します。

お客様の悩みは、最初からきれいに分類されているわけではありません。

だからこそ、最初に相談を受けた人が、何が論点なのかを整理できるかどうかが重要になります。

全てを一人で解決する必要はありません。税務は税理士へ、労務は社労士へ、個別の有価証券の助言は適切な登録・資格を持つ専門家へつなげればよいのです。

それでも、相談の入口に立つ人が全体像を見られるかどうかで、お客様から見える価値は大きく変わります。


企業型DCは保険募集人にとって親和性が高い

企業側でも、従業員の金融教育への関心が高まっています。

J-FLECは、従業員の資産形成支援などを「ファイナンシャル・ウェルネス」と位置づけ、人的資本経営の重要な柱として注目されていると説明しています。

従業員が将来のお金に不安を抱えたままでは、仕事にも生活にも影響が出ます。

NISAやiDeCoがわからない。保険がこのままでよいのかわからない。退職金制度を理解していない。企業型DCに加入しているが、運用商品を見直したことがない。

こうした状態を放置しておくことは、企業にとっても課題になりつつあります。

企業型DCというと、保険募集人には少し遠い制度に見えるかもしれません。

しかし、実際にはかなり近い領域です。

保険募集人は、元々お客様の人生の不安を聞く仕事をしています。

万一の備え。病気やけがへの備え。働けなくなったときの備え。家族の生活を守る備え。老後への不安。

これらは全てライフプランとつながっています。

企業型DCも同じです。

従業員の将来のお金をどう支えるか。会社の制度をどう活用するか。自分の老後資産形成をどう考えるか。NISAやiDeCoとどう使い分けるか。

保険募集人が普段向き合っている「将来不安」と、企業型DCの現場はつながっています。

違うのは、入口が保険商品ではなく、企業の制度であることです。


企業型DCの継続教育には大きな課題がある

企業型DCでは、加入者自身が運用商品を選びます。

そのため、制度を導入するだけでは十分ではありません。従業員が制度を理解し、自分の将来と結びつけて考えられるようにする必要があります。

J-FLECの資料では、企業型DCの事業主の多くが継続投資教育を実施したことがある一方、加入者側で「継続的に何回か受けた」と回答した割合は一部にとどまっています。

また、企業型DCを実施する企業の悩みとして、継続教育、加入者の理解不足、加入者の無関心、法改正への対応などが挙げられています。

制度はある。説明会もした。資料も配った。

それでも、従業員が理解しているとは限りません。運用商品を見直しているとは限りません。自分の老後資産形成と結びつけて考えているとは限りません。

企業型DCは、導入して終わりの制度ではありません。

導入後にどう伝え続けるか。従業員の関心をどう引き出すか。NISAやiDeCo、保険、家計、ライフプランとどうつなげるか。

ここに、DCコンサルタントの役割があります。


「保険を売る人」から「お金の全体像を整理する人」へ

保険募集人が企業型DCを学ぶ意味は、単に「扱える制度が増えること」ではありません。

これまで培ってきた保険の知識や相談力を、企業の現場で活かせるようになることです。

従業員から、「NISAもiDeCoも企業型DCもありますが、何から考えればよいですか」と聞かれることがあります。

「保険料を払いながら、老後資金も積み立てたいのですが、家計は大丈夫でしょうか」と相談されることもあります。

こうした相談は、企業型DCだけの知識では受け止めきれません。

保険、有価証券、税制、社会保障、退職金制度、家計、ライフプラン。

幅広い知識が必要になります。

これからの時代に選ばれる保険募集人は、保険を売らない人ではありません。

保険を正しく位置づけられる人です。

保険が必要な場面では、保険を提案する。保険よりも資産形成を優先すべき場面では、その考え方を整理する。税制や相続が関係する場面では、専門家と連携する。企業の福利厚生や退職金制度が関係する場面では、企業型DCも選択肢として考える。

つまり、保険を中心に置くのではなく、お客様の人生を中心に置くということです。

少し厳しい言い方をすれば、これからは「保険だけを売る人」は選ばれにくくなるかもしれません。

しかし、「保険もわかる上で、資産形成や制度の話まで整理できる人」は、むしろこれまで以上に必要とされるはずです。

保険募集人にとって、これは危機であると同時に、大きな機会(チャンス)でもあります。


DCコンサルタントは保険募集人の仕事の幅を広げる

DCコンサルタントは、企業型DCを売る人ではありません。

企業型DCという制度を、企業と従業員に伝わる形に整える人です。

経営者には、企業型DCを導入する目的を整理する。

人事担当者には、従業員への説明や継続教育を支援する。

従業員には、自分の将来のお金と制度を結びつけて考えるきっかけを届ける。

この仕事は、保険募集人の経験と相性があります。

なぜなら、保険募集人はもともと、人の不安を聞く仕事をしているからです。

家族の不安。病気の不安。働けなくなる不安。老後の不安。お金の不安。

その不安を聞き、整理し、必要な備えを考える姿勢は、企業型DCの現場でも求められます。

ただし、企業型DCの現場では、保険だけでなく、資産形成、税制、制度設計、継続教育まで視野を広げる必要があります。

そこに学びがあります。

そして、そこにやりがいがあります。

DCコンサルタントの資格や肩書きは、その学びを外から見える形にするものでもあります。

保険の専門性を持ちながら、企業型DCや従業員の資産形成にも関われる人。

その立ち位置を示せることは、これからの保険募集人にとって大きな意味を持つはずです。


保険だけではなく、保険から広げられる人が選ばれる

保険そのものは、これからも必要です。

しかし、物価上昇によってお金の価値が変わる時代に、保障だけを切り取って説明する営業は、選ばれにくくなっていくかもしれません。

お客様が知りたいのは、保険に入るべきかどうかだけではありません。

保障をどう持つか。資産形成をどう進めるか。NISAやiDeCoをどう使うか。企業型DCをどう活用するか。税制や退職金制度をどう考えるか。

これらを含めて、自分の将来にどう備えればよいのかを知りたいのです。

だからこそ、保険募集人には新しい学びが必要です。

保険を捨てるのではありません。

保険の価値を、保障と資産形成の両面から伝えられるようになることです。

企業型DCやDCコンサルタントの学びは、そのための有力な選択肢です。

保険募集人が企業型DCを学ぶことは、保険営業から離れることではありません。

保険営業の価値を、企業の福利厚生や従業員の金融教育へ広げていくことなのです。


保険募集人だからこそ金融教育の担い手になれる

商品知識だけで選ばれる時代ではなくなっています。

比較される時代です。

調べられる時代です。

そして、お客様自身が情報を持つ時代です。

その中で必要とされるのは、単に商品を説明する人ではありません。

情報を整理し、お客様が自分で考えられるように支援する人です。

保険の知識を持ち、人生の不安に向き合ってきた保険募集人は、本来、金融教育との相性がよいはずです。

そこに企業型DCの知識が加われば、企業を通じて多くの従業員に金融教育を届けることもできます。

さらに、DCコンサルタントという資格や肩書きがあれば、「保険だけの人」ではなく、「企業型DCや資産形成の相談にも関われる人」として認識されやすくなります。

保険だけを扱う営業から、保険もわかる金融教育の担い手へ。

その一歩に関心がある方は、DCコンサルタント養成研修で、企業型DCと現場での伝え方を学んでみてはいかがでしょうか。